このたび弊社では洗米作業に使用する洗米機を更新しましたので、お知らせしたいと思います。
洗米は精米と同じく、弊社で製造する全ての米粉製品に共通する作業工程で、糠と異物の確実な除去が肝となります。
洗米機ではお米と異物を比重差で選別し、最終的にストレーナー(網)で除去をおこないます。
また、精米後の白米の表面には若干の糠が残っていますので、空気と水をミックスしたジェット水流で、お米を傷つけないよう優しく確実に糠を除去していきます。
この作業は最終的な品質にも大きく影響し、しっかりと糠を洗い流したお米を使用すると、雑味が無く、お米本来の香り・風味をいかした米粉製品に仕上がります。
今回の更新工事では、洗米能力の向上に加えて水道使用量も削減でき、品質と環境に大きく貢献する結果となりました。
今回は追加工事の内容をお知らせ致します。
最後の工事はミキサーの据付。
ミキサーは製造時間帯によって若干異なる寒梅粉の品質を均一にする為に使用します。
これで一連の更新工事も無事終了。
関係各社の皆様、ありがとうございました。
周辺が住宅街のため、相変わらず搬入しづらい弊社ですが、
業者さんは慣れたもので上手に搬入していきます。
電気屋さんも丁寧な仕事で、シンプルで無駄のない電機配線になりました。
追加工事は3日で終了。
ミキサー試運転も終え、若干の手直しが必要となりますが、全体的には問題無し。
画像(やや右寄り)の容器の中で粉が攪拌されることにより、
粒度のムラの少ない安定した寒梅粉となります。
今回も寒梅粉生産設備の更新についてお知らせします。
約10日間の工事の後、テスト運転・ライン構成の確認も無事終了。
今後は順次生産を新設備へと切り替えていく作業となります。
寒梅粉の風合いを決める製粉機。
現行製品に忠実に、より生産効率を向上できるようになりました。
生産ライン中を移動する寒梅粉は、全て密閉状態の配管内を空気輸送されます。
その為、ライン中の粉の残留も無く製品の菌数低減に対する効果や、異物混入リスクも大幅に解消されました。
製造室内は集塵もバッチリ。
粉立ちも少なく、クリーンな環境で製造できるようになりました。
次回は追加工事の様子をお伝えしたいと思います。
麻生圓兵衛商店では半世紀以上にわたり寒梅粉を製造し続けておりますが、今も昔も基本的な製法は変わっていません。
しかし、時の流れとともに生産設備は老朽化し、様々なトラブルが発生し始めます。
そこで品質レベルを一層高めるため、このたび寒梅粉生産設備を一部更新しましたので、ここでお知らせしたいと思います。
今回更新した部分は製粉ラインで、練った餅を焼いた後、徐々に細かく粉にしていく工程です。
麻生圓兵衛商店の寒梅粉は口溶けの良いきめ細かさが特徴なので、この部分を維持しつつも、安全・衛生・効率性を高めるようコンパクトに設計したラインとなっています。
今回はその搬入⇒工事風景を紹介致します。
弊社は住宅街にある為、道幅が狭く機械の搬入が大変。
それでも業者の方はさすがプロ、上手にトラックを入れ慎重に機械を搬入していきます。
製造室内では小型のフォークリフトを使用して、決められた位置へ機械を設置していきます。
上記画像はシフター(篩い機)で、寒梅粉の粒度を決める機械。
もともと弊社にあったものを改造し寒梅粉用として再利用します。
配管工事の様子。
製造ライン中、寒梅粉は全て空気で輸送されます。
今回は米粉に関する水分のお話をしたいと思います。
生のお米(うるち米/もち米)を粉砕して作る米粉の場合、一般的に水分値12%前後を目標に製造します。
麻生圓兵衛商店でも、上新粉や餅粉を製造する際、この水分値を目安に仕上げます。
水分値を適性にすることにより、微生物の繁殖を抑え米粉自体の保存性を高めるとともに、実際に使用する時の作業性が良くなります。
米粉はそれ単体で使用することは少なく、水や砂糖・蜜、その他食材・添加物と混ぜて加工しますので、適性な水分を含む米粉だと親和性が高まる訳です。
以上のように米粉の水分管理は非常に大切な工程ですが、どうしても水分調整が安定しない、難しい種類の粉があります。
それは寒梅粉・落雁粉と呼ばれる粉(米粉の一種で、干菓子等に使用される)。
寒梅粉と落雁粉は上新粉・餅粉とは違い生の状態では粉砕せず、蒸したり焼いたり熱をかけながら製造していきますが、工程内で熱がかかるので、その分乾燥し通常よりも水分値は低くなってしまいます。
その為、水分値を上げるよう水分を加える工程が必要となります。
この工程がなかなか難しく、目標とする基準までお米の品質や季節・気候を考慮しながら加える水分量を調節して仕上げをおこないますが、思うような水分値に達しないことが多くあります。
そこで麻生圓兵衛商店では品質を安定させる為に、エージングをおこないます。
エージングといっても、ただ倉庫で一定期間置いておくだけで、特に何もしません。
要は寝かせている状態です。
粉は紙(クラフト)の袋に入っていますので、自然と外の湿気が粉の中へ取り込まれ、次第に水分値が上がり、しっとりとしていきます。
エージングの期間は最低でも2週間、理想は1ヶ月程度で、まさに製品の最終仕上げの工程と言えます。
麻生圓兵衛商店では様々な機器を用いて米粉製品を作っていますが、最終的には時間が製品の品質を安定させてくれます。
自然の力は不思議なものですね。
今回は麻生圓兵衛商店での寒梅粉の製法について紹介を致します。
前回の繰り返しになりますが、まずは寒梅粉とは?から始めます。
寒梅粉(かんばいこ)とは蒸したもち米を良く練って餅の状態にし、薄く焦げないように焼き上げ、キメ細かく製粉したもので、打ち物・押し物等の干菓子の他、様々な和菓子に使用されている粉です。
製造工程の流れは以下のようになります。
①精選したもち米を精米・洗米した後、一晩水に浸します。
②浸漬したもち米を良く水切りし、たっぷりの蒸気で蒸し上げます。
③蒸しあがったもち米を良く練って餅の状態にします。
④練った餅をガス火で熱した二本のロールで挟み込み、薄く焦がさないように焼いていきます。
⑤薄くせんべい状に焼いたものを粉砕し、徐々に細かく製粉していきます。
⑥シフター(篩い機)を使用し、整粒します。
⑦目標の水分値に達するよう、調湿をおこないます。
⑧最後に再度シフター(篩い機)・マグネットフィルターを通し、完成です。
弊社の寒梅粉は落雁等の干菓子に使用されることが多いため、その繊細な味わいを引き立てるよう、製造にあたっては香りと口溶けに特に留意しています。
まず香りについては、焼成工程で少し強めに熱を加え、香ばしい風味が残るよう調整しています。
口溶けについては、網目の小さい篩い網を使用し、丹念に製粉することによってきめ細かな寒梅粉に仕上げています。
麻生圓兵衛商店では創業以来、現在も同じ製法で寒梅粉を作り続けております。
こだわりの寒梅粉、是非お試し下さい!
道明寺粉を使用した桜餅のシーズン真っ最中ですが、今回は麻生圓兵衛商店での道明寺粉製造工程について紹介します。
おおまかな流れは以下の通りです。
①原材料となる良質な国産水稲もち米を精選・精米します。
(麻生圓兵衛商店では外国産米は一切使用しておりません、国産米100%です!)
②洗米して米糠やその他異物を洗い流します。
③一晩水に浸漬して水分を含ませます。
④たっぷりの蒸気で蒸し上げます。
⑤蒸したもち米を乾燥機に入れ、一昼夜かけてじっくりと乾燥させます。
⑥乾燥したもち米を粉砕機を使って、徐々に細かくしていきます。
⑦シフター(篩い機)で丸粒~6ツ割まで大きさ別に分けていきます。
⑧色彩選別機を使用して、着色米やその他異物を取り除いて完成です。
この中で、麻生圓兵衛商店が最もこだわっているのは、⑤の『一昼夜かけてじっくりと乾燥させる』の部分です。
その昔、現在のような乾燥機など無い時代、道明寺粉は天日で乾燥し作っていました。午前中から日が沈むまでじっくりと太陽の光で乾燥させていたのです。
しかし現在、このような製法は気候の影響を受けやすく、実際の菓子需要にも対応していない為おこなわれていません。
時代が進むにつれ、製造方法が効率化され、多くのメーカーでは短時間で製品化するような設備が整っていますが、その反面、短時間での乾燥によってもち米本来の風味や食感が損なわれているのも事実です。
麻生圓兵衛商店では短時間での大量生産はせず、もち米にダメージがかからないように、一昼夜かけ朝までじっくりと乾燥させます。
手間も時間もかかりますが、このことによって風味・食感の良い道明寺粉ができあがるのです。
米粉製品は自然からの恩恵を受けて作るもの。
麻生圓兵衛商店ではできるだけ昔ながらの製法を守り、風味をいかした製品作りを心がけています。
麻生圓兵衛商店では関西風桜餅の原料となる道明寺粉を製造していますが、ここではその製造工程を簡単に紹介します。
①原材料となる国産水稲もち米を精選・精米します。
②洗米して米糠やその他異物を洗い流します。
③一晩水に浸漬して水分を含ませます。
④たっぷりの蒸気で蒸し上げます。
⑤蒸したもち米を乾燥機に入れ、一昼夜かけてじっくりと乾燥させます。
⑥乾燥したもち米を粉砕機を使って、徐々に細かくしていきます。
⑦シフター(篩い機)で丸粒~6ツ割まで大きさ別に分けていきます。
⑧色彩選別機を使用して、着色米やその他異物を取り除いて完成です。
この中で、麻生圓兵衛商店が最もこだわっているのは、⑤の『一昼夜かけてじっくりと乾燥させる』の部分です。
その昔、現在のような乾燥機など無い時代、道明寺粉は天日で乾燥し作っていました。午前中から日が沈むまでじっくりと太陽の光で乾燥させていたのです。
しかし現在、このような製法は気候の影響を受けやすく、実際の菓子需要にも対応していない為おこなわれていません。
時代が進むにつれ、製造方法が効率化され、多くのメーカーでは短時間で製品化するような設備が整っていますが、その反面、短時間での乾燥によってもち米本来の風味や食感が損なわれているのも事実です。
麻生圓兵衛商店では短時間での大量生産はせず、もち米にダメージがかからないように、一昼夜かけてじっくりと乾燥させます。
手間も時間もかかりますが、このことによって風味・食感の良い道明寺粉ができあがるのです。
米粉製品は自然からの恩恵を受けて作るもの。
麻生圓兵衛商店ではできるだけ昔ながらの製法で、風味をいかした製品作りを心がけています。
3月3日の雛祭りから桜の花が咲く頃までが桜餅のシーズンで、この時期、和菓子屋さんやスーパーなどの店頭で良く見かけます。
麻生圓兵衛商店では、関西風の桜餅に使用する道明寺粉を生産していますが、ここでは桜餅に関するお話を少ししたいと思います。
ご存知の方も多いと思いますが、桜餅には関西風と関東風の2種類があります。
関西風は道明寺粉(蒸したもち米を乾燥して粉砕したもの)で餡を包みますが、関東風は薄く焼いた小麦粉生地で餡を巻いたもので、見た目も食感も異なります。
関西風の桜餅で使用する道明寺粉は、大阪府藤井寺市にある道明寺という尼寺で保存・非常食の糒(干し飯)として作られたのがその名の由来とされ、関西近畿地方では道明寺と言えば桜餅を意味するほど食文化として定着しています。
〔道明寺粉を使用した関西風桜餅〕
一方、関東風の桜餅は隅田川の向島に長命寺という寺があり、その門前で小麦生地の桜餅を売り出したのがきっかけで、こちらも長命寺の呼び名が桜餅の意味を持つようになったと言われています。
〔小麦生地を使用した関東風桜餅〕
3月3日の雛祭りに向けて麻生圓兵衛商店では桜餅に使用する道明寺粉の生産がピークを迎えています。
当社の道明寺粉は関西風の桜餅(もち米で餡を包むタイプ)に使用され、ちょうどこの時期、北陸・近畿・東海地方へと連日出荷しています。
道明寺粉とは蒸したもち米を乾燥し粉砕したもので、その大きさによって丸粒・2ツ割・3ツ割・4ツ割・5ツ割・6ツ割などに分けられます。
麻生圓兵衛商店では良質な国産水稲もち米だけを使い、手間ひまかけた昔ながらの製法で道明寺粉を作り続けています。
一晩浸漬したもち米をたっぷりの蒸気で蒸し上げます。
蒸しあがったもち米をアルミ製のオリに詰めていきます。
詰め終わったオリ約300枚を乾燥庫に入れ、
一昼夜かけてじっくりと乾燥させます。
乾燥後、粉砕した道明寺粉を色彩選別機で検品します。
色彩選別機で検品後、袋詰めをおこないます。
25kg・5kg入袋の他、1kg小袋も対応致します。
12月の中旬以降、気温もぐっと下がり、冬らしくなってきました。
ここ富山県でも先週末からの寒波到来を受け、断続的に雪が降っています。
人間の場合、寒くなると体調が悪くなったり、何かと不自由を感じることが多いですが、
米粉の製造という点において気温の低さ・寒さは、どちらかというと良い影響を与えます。
例えば、上新粉(米粉)や餅粉の場合、お米を粉砕する時に発生する熱をなるべく低く抑えると、良質な粉ができると言われています。
麻生圓兵衛商店ではスタンプミルという杵搗き方式の粉砕機を使用していますので、外気温が低ければ、粉砕時の石臼内温度上昇も抑えられ、結果として品質の向上につながり、その分お米本来の風味が活きた米粉ができます。
また、気温が低いことは、原料米の保管状態や製品の菌管理に対しても良い影響を与えます。
しかしその反面、寒梅粉や落雁粉、道明寺粉など蒸気やバーナーを使用して熱をかけて製造する粉は、外気温の影響で温度が一定にならず、製造に苦労する場合もあります。
季節の変化への対応が米粉作りの難しさでもあり、要かも知れません。
麻生圓兵衛商店では様々な米粉製品を製造していますが、その工程において多くの熱を必要とします。
例えば上新粉や餅粉を製造する際、一度水に浸漬し粉砕した粉を12%~13%程度まで熱風を使って乾燥します。また、寒梅粉や道明寺粉といった製品の場合、蒸気を使用してもち米を蒸します。
当社では長年、A重油を使用したボイラーを熱源としていましたが、今年の春、地元ガス会社さんからCO2の削減と一層の省エネ効果が期待できるガスボイラーへの更新提案を受け、その後いろいろと省エネ率や費用対効果等をシミュレーションした結果、2台導入することに決定し、先日無事工事が完了しました。
従来のA重油を使用したボイラーと比べ、ガスボイラーの場合、年間72.6トンのCO2削減と熱交換率の向上による約12%の省エネを実現できる見込みです。
米粉は今も昔も自然からの恩恵を受けて作るもの。
当社も米粉メーカーとして地球環境に配慮したやさしい製品作りを心掛けていきたいものです。
麻生圓兵衛商店ではお米を原材料とした様々な粉を製造していますが、製造工程における異物除去の際、基本的にシフター(篩い機)を使用して未然に異物の混入を防いでおります。
しかし当社では、落雁粉や道明寺粉といった完全な粉ではない、粒状の製品も多数製造しております。
粉ではなく大きさの粗い粒状ですから異物は篩いの目を通過してしまいます。
繊細で上品な和菓子の原材料となる当社の製品にとって、異物はあってはならないもの。
では、粒状の製品はどうやって異物除去をするのか?
結局のところ人間が目視で検品するしかなく、大変な作業の割には精度も低く、当社にとって長年の課題でありました。
しかし近年、カメラの性能と画像処理技術の進歩もあって、玄米や白米用では不可能だった、より小さな異物を選別除去できる粉粒体用色彩選別機が登場し、当社でも今年の7月から導入をしました。
この色彩選別機、塩の選別にも使用できる程の高精度で、当社での実績値では、約0.1mmの異物(原料由来・焦げ・金属他)を選別除去できることが確認されています。
0.1mmというと、肉眼ではほとんど黒い点にしか見えないくらい極小で、このようなものを選別できる技術の進歩にただ驚くばかりです。
結果、従来の人間による選別作業以上の精度と歩留りを実現し、より安全で品質の高い製品をお客様へ提供できるようになりました。
製品ごとに条件がプリセットされており、最適な選別を自動でおこないます。
選別をおこなう部分。上から製品が落下して、
両側にある2台のCCDカメラで異物を捉え、
下にあるエアーガンで異物を排出する仕組み。
(分かりづらいですが、両側の蛍光灯の裏にカメラがあります。)
排出された異物(小さすぎて画像では確認できませんが・・・)